キャッシングの法律改正の問題点

出資法に比べ、賃貸法は個人への貸付を想定されている法律でした。
しかし、出資法の方が上限金利が高かったため、「適法」の名の下に、出資法での取引が行われていたのが事実です。取引を行っていたキャッシング業者からすれば、悪い事をしているという感覚は無かったでしょう。なぜなら、法律改正以前は全てのキャッシング業者がその金利で取引を行っていたのですから。また、借りる側もそれを当然と思っていましたので、長らく個人へのお金貸しでありながら、出資法の上限金利での取引が行われいたのです。
それに対し、疑問の声を投げかける声も無かったわけではありません。
「個人へお金を貸すのに出資法の上限を適用するのはおかしい。」そのように主張する識者がいたのも事実です。しかし、識者がどれだけ声高に主張しても、法律が変わる訳ではありません。もちろん、業者にそのような声が届いていない訳がないのですが、かといって厳密に「違法」とする根拠も無かったですから、その間の金利、つまり賃貸法の上限から出資法の上限である20%~30%の間の金利は「グレーゾーン金利」と呼ばれ、法律改正まではグレー。白でも黒でもない、まさに良いのか悪いのか決めかねるものとして扱われていたのです。「グレーゾーン金利」とも言われていましたが、その言葉を耳にした事がある人も多いのではないでしょうか。
しかもこの問題の根深い部分は、一社や二社だけで行っていたのではなく、キャッシング業界全体で行われていたという点に尽きるでしょう。「運命共同体」ではないですが、業界内全てでグレーゾーン金利で取引しているのですから、業界内から「おかしい」という声が挙がる可能性というのは皆無です。それもそのはず、「おかしい」と主張するという事は、つまりは金利を賃貸法の範囲にしろという事です。それは言い換えれば、自分達の利益を削るという事なのですから、当然ですが、そのような事をするキャッシング業者などいるわけがありません。つまり、グレーゾーンの問題は、自浄作用はなくなっていたのです。
そうなると、利用者としても何が良くて何が悪いのかなど、自分だけの判断ではどうする事も出来ない状況になってしまっていたのですが、一人の人間が、その慣習に対して大きなクエスチョンマークを投げかけたのです。そしてその行為こそが、法律改正への大きな大きな一歩となったのですから、その一人の人間の功績はとても大きいのです。